
GAIQにとって重要なアカウントとプロファイルの管理(3)
本テーマでの記事も3回目となりました。前回までに、アカウント、プロパティ、プロファイルがどのような構造でどのような設定が可能であるかを解説してきました。今回は、アカウントとプロパティを設定する上での重要な注意事項を解説していきます。今回のポイントは、アカウント構造とユーザーと管理者の関係です。
今回はまず、ユーザー登録画面から見ていきましょう。新しいユーザーの登録を行うには”プロファイル”の設定画面へ行きます。(図1)
そして、「新しいユーザー」ボタンをクリックして入ると(図2)
このように”プロファイルにユーザーを追加”となり追加したいユーザーのメールアドレスを登録する画面になります。ここで初めて「ユーザー」か「管理者」かを選択する場面に出くわします。
大抵の人は、最初から「ユーザー」と「管理者」の違いを理解してここまで来るということはほとんど無いと思います。何かしらの理由や必要があり、レポート画面(プロファイル)を共有するためにこの画面に来ているわけです。
では、ユーザーと管理者の説明ですが、Google アナリティクスヘルプセンターによると
・ユーザー
- レポートへのアクセスは読み取り専用
- アクセスは特定のプロファイルのみに制限される場合がある
- アナリティクス設定は変更できない
- アカウントの所有者と同じ権限
- すべてのレポートにアクセスできる
- アナリティクス設定の変更とユーザーの追加を行える
- プロファイル、フィルタ、目標を作成できる
・ユーザーとは”プロファイルのユーザー”という意味である
・管理者とは”アカウントの管理者”という意味である
という2点です。設定画面では以下(図3)のように説明書きがついていますが
通常のユーザー登録(追加)設定の流れの中では非常にわかりにくい部分です。
図解すると次(図4)のようになります。
このように設定画面上では同列に並んで簡単に選択できるこの”2者”ですが、実際にはこれほどの違いがあります。
つまり、プロファイルの設定からユーザー登録に入っても”管理者”を選択するとそのプロファイルが属しているアカウント全体の管理権限を付与することになる、ということを理解する必要があります。
前回の解説で例として、広告代理店の担当者が複数のクライアントのプロパティを1つのアカウント内で運用することもできる、というケースを書きましたが、この場合に担当の運用チームメンバーすべてを管理者として登録すると本来担当していないクライアントのプロパティのプロファイルを閲覧できてしまうだけでなく各種設定(プロファイル自体の削除も含めて)まで可能になってしまいます。このような場合に推奨されるアカウント構成としては、
・運用される組織が異なるサイト(プロパティ)は、個別のアカウントで管理・運用する
ということです。ちなみに、アカウントは”Google アカウント(Gメールアカウントなどの)”1つにつき25アカウントまで作成することが可能です。
Google アナリティクス IQ lessons の中でも”Account Administration”の中でもこの件については解説され、出題の中でも取り扱われています。
筆者もクライアント様のコンサルティングの時に管理者権限をいただくことが多々ありますが、そのときに”ユーザー一覧”を拝見すると大抵の場合ほとんどが”管理者”として登録されているケースが多いです。それ自体がすぐに問題ということではありませんが、今後組織の中でアクセス解析がより運用されていくようになると、知っておかなくてはいけないポイントです。
アカウント管理の視点で見ると、Google アナリティクスの各種設定や機能が計測と分析のためだけではなく、このような組織内運用を視野に入れた上でも考えられているということがよくわかってきます。
本テーマでの次回は、”まとめ”と”例題(ケーススタディ)”をする予定です。


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