User ID機能は同一人物の異なるClient IDを結び付けることで実現する仕組み

共通の機能解説

投稿日:2014/7/25 作成者:衣袋 宏美

ユニバーサル アナリティクスに搭載されたUser ID機能ですが、同じ人が別のデバイスから同じサイトを見たり、同じパソコンの別のブラウザから見たりしても、同一人物として利用状況を繋げてみることができる仕組みです。

そのため、本当のユーザー行動を見ることができるようになる、と過大な期待を抱かせるような記事も多くありますが、その仕組みをよく確認すると、結構中途半端な仕様であることがわかります。

そこで本稿では、User ID機能の仕組み、アナリティクス設定での設定方法、データを見る上での注意点などについて何回かにわたって解説します。

●ユニバーサル アナリティクスのクッキーと「Client ID」の関係

まずブラウザ固有のIDをどのように取得しているのかから始めます。なおmeasurement protocolを利用したデータ送信の場合を除き、通常のブラウザ閲覧によるデータ収集の話に限定します。

ユニバーサル アナリティクスにおいて、同一ブラウザからの一連の閲覧行動を把握する仕組みとして、ファースト パーティー クッキーを利用しています。データ上ではブラウザを特定するIDとして「Client ID」という変数を使っています。

そしてユニバーサル アナリティクスのクッキーである、_gaの中身は例えば下記のようになっています。

GA1.2.1762035138.1355318312
最後から見て一つ目のピリオド(.)の前後の数字が、「Client ID」の値です。上の例では、「1762035138.1355318312」が「Client ID」の値になるわけです。

この「Client ID」の一つ一つの値はGoogle アナリティクスのレポート上では表に見えませんが、同一セッションのデータであることの判定、セッションが繋がっているか切れたかの判定、同一ブラウザの閲覧を判定することなどに利用されています。

●「User ID」と「Client ID」の関係

次はいよいよ「User ID」です。「User ID」はどのブラウザやデバイスから利用しても、同一人物の利用であれば、同じIDを振るフィールドとして新しく用意されました。つまり例えば次のように同じ「User ID」の人が、スマートフォンやパソコンの複数のブラウザでサイトを見たとしましょう。

User ID Client ID 利用デバイス(ブラウザ)
000001 xxxxxxxx1 スマートフォンA
000001 xxxxxxxx2 タブレットB
000001 xxxxxxxx3 パソコンc のブラウザX
000001 xxxxxxxx4 パソコンc のブラウザY

サイトでログインなどをすることで同一の「User ID」情報を上記のように取得できれば、最終的にはこの「User ID=000001」に対応するすべての「Client ID」のデータを繋げることで、本当の同じ人の行動を一気通貫に見ることができるはずです。

●「User ID」情報の取得方法

では、どのように「User ID」情報を取得すればよいのでしょう。例えばアマゾンなどECサイトを利用していると、よく、「××さん、ようこそ」といった表示がされると思いますが、これはサービスにログインした状態をクッキーが記憶していて、自分のことを覚えてくれている訳です。複数のブラウザからアクセスしている場合でも、それぞれでログインしている状態になっていれば、やはり自分のことを覚えてくれています。この自分に固有のIDを「User ID」情報として取得すればよいわけです。

そして、一度でもそのブラウザでログインをしてしまえば、例えば「User ID=0000001」=「Client ID=xxxxxxxx1」という紐付けができます。このような形で、「User ID」と「Client ID」の関係性が完全に判明したら、上記の例で言えば、「Client ID=xxxxxxxx1」から「Client ID=xxxxxxxx4」までの全てを完全に繋げた一人のユーザーの行動としてデータを見ることが可能になるというのが、「User ID」の機能です。

●「User ID」を利用する意味のあるサイト

ここまでのところでも理解できるのは、この「User ID」の機能は匿名で自由に見ることのできるサイトでは使うことができません。一度でもユーザー登録などをしたことのあるサイトで、頻繁にログインするようなサイトでなければ、固有の「User ID」情報すらもともと持っていない訳ですから。

ということで、まずこの機能を使うことのできるというか、使う意味のあるサイトは、一度でもユーザー固有の情報を入手し、ログインなどでサービスを利用させる次のようなウェブサイトに限るということです。

・eコマース サイト
・ログインしないと記事が閲覧できないようなメディア サイト
・ソーシャル ネットワーク サービス サイト
・その他ログインを前提として利用するサービス サイト
など

User ID機能解説の初回はここまで、ごく当たり前の話までです。

 

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