User ID機能ではユーザーの本当の動きが分かるわけではない

共通の機能解説

投稿日:2014/8/1 作成者:衣袋 宏美

User ID機能解説の3回目です。第1回目のUser ID機能の仕組みについては、この記事を、第2回目のUser ID機能をアナリティクス設定でどのように準備するのかはこの記事を、ご参照下さい。

簡単に第2回目のおさらいをします。「User ID」情報を取得するには、「User ID」情報を取得したいすべてのページに、トラッキングコードのカスタマイズが実装が必要で、例えばログイン時に一度「User ID」情報を取得したら、その後の同一ブラウザの行動を自動的に「Client ID」と紐付けてくれる訳ではありません。

つまり一つずつのページで「User ID」情報を取得しているだけで、セッションやユーザーレベルで「User ID」情報を取得している訳ではないのです。

 
そこで今回は、この仕様に基づいて集計されたデータがどのような問題点があるのかについて考えていきます。問題点というか、仕様なので仕方ないのですが、本当のユーザー行動を全て一気通貫で理解できるわけではないですよということです。

以下に挙げるケースの見方ですが、1行が同一人物による1セッションだと考えて下さい。また上から下に時間が流れているものとします。

●ユーザーX
User ID情報収集  閲覧ブラウザ
あり      A(パソコン)
なし      B(スマートフォン)
あり      C(パソコン)⇒ここでコンバージョン

このケースはユーザーXさんが、スマートフォンからの利用時にはサイトにログインしないためUser ID情報は収集できず、パソコンの二つのブラウザAとCでの利用時にはログインしたためUser ID情報が収集できた場合です。

スマートフォンからはログインしないで見ることのできるページ閲覧しかしないのですが、この情報はユーザーXさんの利用行動としては繋がらないので、ユーザーXさんのブラウザを跨いだ利用行動はA⇒Cという把握のされ方になります。

パソコンだけから利用があって、コンバージョンに至ったという集計になります。実際には同一人物がモバイルから見て、そこで最後の決断をしたかもしれないのに。

 
●ユーザーY
User ID情報収集  閲覧ブラウザ
なし      J(スマートフォン)
あり      K(パソコン)
あり      L(スマートフォン)⇒ここでコンバージョン

このケースはユーザーYさんが、スマートフォンからの初回訪問時にはサイトにログインしないためUser ID情報は収集できず、次のパソコンとスマートフォン利用時にはログインしたためUser ID情報が収集できた場合です。

この場合は、最初のきっかけであるスマートフォンからの利用は繋がらないので、ユーザーYさんのブラウザを跨いだ利用行動はK⇒Lという把握のされ方になります。

 
●ユーザーZ
User ID情報収集  閲覧ブラウザ
あり      M(パソコン)
なし      N(スマートフォン)
なし      M(パソコン)
あり      N(スマートフォン)⇒ここでコンバージョン

このケースはユーザーZさんが、パソコンスMからは初回はログインして、次はログインしなかった場合で、スマートフォンNからは初回はログインせず、コンバージョン時にログインした場合です。

この場合は、2度目のパソコンMからの利用は、最初の利用でIDを理論上紐付けられるにも関わらずそれをせずに繋がらないので、ユーザーZさんのブラウザを跨いだ利用行動は(初回訪問の)M⇒(2訪問目の)Nという把握のされ方になります。

仕様上、一度もログインしなければ、「Client ID」と「User ID」情報を繋げることはできないので、致し方ありませんが、ユーザーZさんのケースのように、パソコンMからの初回訪問で「Client ID」と「User ID」の紐付情報があるのに、パソコンMの2訪問目で、その情報を使ってくれないのは、非常に残念です。

どうせ、カスタム ディメンションを利用して、「Client ID」と「User ID」情報をユーザーベースで記録すれば繋げることは簡単にできてしまう(別の記事で取り上げる予定です)のに、わざわざ使いづらくしているのがもったいないです。まあログインなど、能動的にオプトインしている状態でないとデータ収集はデフォルトではしませんよというリスクヘッジなのだとは思いますが、ちょっと中途半端な機能になってしまっている感じがします。

続いての記事は、専用ビューの作成と実際のレポート画面の見え方を解説したいと思います。

 

お知らせ