User ID機能を利用して見ることのできるレポートとは

共通の機能解説

投稿日:2014/8/4 作成者:衣袋 宏美

User ID機能解説の4回目です。第1回目のUser ID機能の仕組みについては、この記事を、第2回目のUser ID機能をアナリティクス設定でどのように準備するのかはこの記事を、第3回目のUser ID機能を使っても本当のユーザーの動きは分からないというこの記事もご参照下さい。

簡単におさらいをしますと、「User ID」情報はページ閲覧の都度取得する仕組みで、セッションやユーザーレベルで「User ID」情報を取得している訳ではないということ。そしてログインなどをしないとユーザーに紐づいた「User ID」情報は収集できないので、ログインなどができるサイトでしか利用できず、かつ、ログインしている閲覧状態の実態だけを把握するという仕様になります。

 
今回はこれを踏まえた上で、専用ビューの作成と実際のレポート画面の見え方を解説したいと思います。User ID機能解説第2回目の記事の最後からの続きになりますが、アナリティクス設定の「プロパティ」でUser-ID 機能の有効化の最後のステップが、「User-IDビューの作成」でした。

この作成ボタンをクリックすると、図1のようにUser-IDビューの新規作成画面になります。レポートビューの名前を入力し(図1赤枠部分)、タイムゾーンを日本にして(図1青枠部分)、「ビューを作成」(図1緑枠部分)をクリックします。

 

図1:新しいレポート ビューを作成

図1:新しいレポート ビューを作成

 

すると「User-IDビュー」が作成され、アナリティクス設定で該当のビューが選択されている状態になります(図2赤枠部分)。レポートの方に画面を移動すると、「ユーザー」セクション(図3)に新しいレポートが幾つか出現しているのに気が付きます。

 

図2:新しいビューが選択

図2:新しいビューが選択

 

図3:新しいビューに追加されたレポート群

図3:新しいビューに追加されたレポート群

 

「ユーザー > 行動 > ユーザー エンゲージメント」というレポート(図3赤枠部分)と、「ユーザー > クロスデバイス」というレポート群(図3青枠部分)が、それです。また同じプロパティ配下の通常の他のビューにも一つレポートが追加されます。それが図4赤枠部分の「ユーザー > 行動 > User-ID カバレッジ」というレポートです。

 

図4:従来のビューに追加されたレポート

図4:従来のビューに追加されたレポート

 

それでは、実際にこれらのレポートを見ていきましょう。User-ID取得対象のユーザーが二人いて、次の6セッションの訪問があったとします(1セッションは非ログインでUser-ID取得対象外)。

<一人目のユーザー>
PC(ブラウザAで、ログイン状態で2ページビュー)

PC(ブラウザBで、ログイン状態で1ページビュー)

<二人目のユーザー>
PC(ブラウザWで、ログイン状態で1ページビュー)

タブレット(ブラウザXで、ログイン状態で1ページビュー)

PC(ブラウザYで、非ログイン状態で1ページビュー)

PC(ブラウザZで、ログイン状態で2ページビューで購入)

 
図5は通常のビューに出てくる「ユーザー > 行動 > User-ID カバレッジ」レポートです。「Assigned」の列のデータ(図5青枠部分)がUser-ID取得対象のデータから生成された集計です。User-ID取得対象の5セッション、トランザクションが1と記録されています。

全体に対してどれだけの割合のデータが「User-IDビュー」対象なのかというのを確認しておく必要がありそうです。

 

図5:「User-ID カバレッジ」レポート

図5:「User-ID カバレッジ」レポート

 

今度は「User-IDビュー」の「ユーザー > サマリー」レポート(図6)を見てみましょう。確かに上記の二人目のユーザーの非ログイン セッションを除いた分が集計されているのがわかります。二ユーザーが合計5セッション、合計7ページビューということで合致しています。

図7は「ユーザー > 行動 > ユーザー エンゲージメント」レポートです。二つの比較棒グラフだったり、棒が一つしか表示がないものがあったりで、データ量も少ないせいか、このレポートの見方はよくわかりません。

 

図6:「ユーザー > サマリー」レポート

図6:「ユーザー > サマリー」レポート

 

図7:「ユーザー > 行動 > ユーザー エンゲージメント」レポート

図7:「ユーザー > 行動 > ユーザー エンゲージメント」レポート

 

続いて図8が「ユーザー > クロスデバイス > デバイスの重複」レポートです。図8はデバイスカテゴリが「Desktop」と「Tablet」だけが表示されていますが、スマートフォンからの利用があれば、ここに「Mobile」が追加されます。

上のカラーの四角の表示は、ユーザー数ベースでのデバイスの重複具合を見るグラフです。3色になるとわかりにくくなりますが、図8の場合は二人とも「Desktop」利用なので、全体が青色でまず表示され、その中の一人が「Tablet」も利用しているので、「Tablet」が50%という表示になるようです。

下の一覧表部分は、1行目が「Desktop」、2行目が「Desktop」「Tablet」と表記されています(図8赤枠部分)が、この表記の意味は次のようになります。1行目はPCからだけ利用した人ということです。一人が2台のPCからアクセスしても、ここに含まれます。

2行目はPCとタブレットから利用した人ということです。あくまでも「Desktop」「Tablet」「Mobile」の組み合わせのパターンですので、利用順は関係ありません。ですから「Desktop」「Tablet」「Mobile」の組み合わせ、つまり最大7パターンしか表示されないと思います。

 

図8:「ユーザー > クロスデバイス > デバイスの重複」レポート

図8:「ユーザー > クロスデバイス > デバイスの重複」レポート

 

一方、サイト利用の順番に意味を持たせたのが図9の「ユーザー > クロスデバイス > デバイス経路」レポートです。同じデバイスカテゴリからの利用が続いても、ダブルで表示することはないようです。

例えばこの例では、最初の人はPC(ブラウザA)⇒PC(ブラウザB)と異なるブラウザで見ていますが、デバイスカテゴリはどちらも「Desktop」です。このような場合に、「Desktop」⇒「Desktop」とは表記されないということです。図9赤枠部分のように、「Desktop」単独表記にまとめられるようです。

途中で違うデバイスカテゴリの利用があれば、それは反映されますので、二人目は「Desktop」⇒「Tablet」⇒「Desktop」と表記されます(図9青枠部分)。

 

図9:「ユーザー > クロスデバイス > デバイス経路」レポート

図9:「ユーザー > クロスデバイス > デバイス経路」レポート

 

最後が図10の「ユーザー > クロスデバイス > ユーザー獲得デバイス」レポートです。「起点」の意味合いは、集計対象期間で一番最初という意味合いだと思いますが、この例では「起点となったデバイス」ディメンションは「Desktop」が二人となっています。

不可解なのは、この例でコンバージョンしたのは二人目のユーザーで起点は「Desktop」で、コンバージョンした際のアクセスも「Desktop」ですが、「起点となったデバイスからの収益」はゼロとなっている点です。ヘルプに書いてあることも私には理解不能です。どなたか教えて頂ければと思います。

<画面のヘルプ(ツールチップ)の表記>
起点となったデバイスからの収益:あるデバイスを介して獲得したユーザーが、同じカテゴリのデバイスを介して発生させた収益の金額です。たとえば、あるユーザーが最初に携帯端末からサイトにアクセスし、その後タブレットを通じて商品を購入した場合、その収益額はこの指標に含まれます。

その他のデバイスからの収益:あるデバイスを介して獲得したユーザーが、それと異なるカテゴリのデバイスを介して発生させた収益の金額です。たとえば、あるユーザーが最初にパソコンからサイトにアクセスし、その後タブレットを通じて商品を購入した場合、その収益額はこの指標に含まれます。

 

図10:「ユーザー > クロスデバイス > ユーザー獲得デバイス」レポート

図10:「ユーザー > クロスデバイス > ユーザー獲得デバイス」レポート

 

User ID機能全体を見渡して感じたことは、このレポート群から具体的な課題解決のヒントを探すのは難しいということです。モバイルが購買に重要な位置を占めている可能性がそこそこありそうだぞということしか確認できないような気がします。

もっとクロスデバイスの利用実態を深堀する方法は、別の記事でご紹介したいと考えています。

 

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