ユニバーサル アナリティクスでクライアント ID を表示して、個々人の行動分析をするには

データ収集と集計仕様

投稿日:2014/8/26 作成者:衣袋 宏美

Google の開発者向けサイトに次のような記述のあるページを発見し、これに触発されて個々人の行動分析をする方法を実践してみました。もともとはユニバーサル アナリティクスのCookie の中に記述されている clientId を直接抜き出す仕様で JavaScript を作成しました。ただその方法は精度が100%ではなかったですし、Google の方で標準で用意してある仕組みがあることがわかりましたので、これを利用して改造しました。

ここからリンクと引用開始→
ドメインと Cookie – ウェブ トラッキング(analytics.js)

analytics.js で設定される Cookie には、警告なしにフォーマットが変わる場合があるので直接アクセスすることは避けてください。直接アクセスするとスクリプト エラーが発生し、データが不正確になります。その代わりに get コマンドを使用して clientId の値を取得してください。方法は以下のとおりです。

ga(function(tracker) {
  var clientId = tracker.get('clientId');
});

→ここまでが引用

 

●clientId とは
改めて始めから解説すると、ユニバーサル アナリティクスにおいて clientId というのは、個々のブラウザ(人ではなくて)の閲覧であることを紐付ける ID で、Cookie の中に格納されている匿名の ID です(標準のアナリティクスにも同様の ID がありますがそちらについては割愛します)。

Google アナリティクス(及びユニバーサル アナリティクス)では、この個々の ID は裏で紐付けられていて、セッションやユーザーの判定のために使われます。しかし個々の ID 一つ一つの閲覧行動を標準で見ることのできるレポートは用意されていません。

プライバシーに配慮することを示したいためか、Google は個々のデータを意図的に扱いにくくしているのだと思います。

 

●何故個のデータを見ることが重要なのか
個のデータを活用する意味は、全体の平均的な動きを見るだけでは、気づきが大幅に限定されるからです。平均の人なんていないんです。皆個々人の癖のある動きをしているんですね。

実際それなりの有料ツールなどでは、匿名のAさんが、何時、どのIPアドレスのどのデバイスを利用して、Google検索からやってきて、このページから閲覧開始し、こことそこのページを閲覧して、問合せしてきたといった生ナマしいデータを見ることができます。「ああ、あの競合がこのページを見て探りを入れてきているぞ」とかが把握できます。

 

●実装方法
冒頭に紹介したコードで clientId を取得するのはよいとして、それをレポートに反映するためには、それを表示するためのディメンションを作成する必要があります。ユニバーサル アナリティクスではカスタム ディメンションがそれに該当します。カスタム ディメンションは20種類まで利用できるので、様々な用途に活用できます。

今回はこの方法で取得した clientId をカスタム ディメンションに格納するため、下記のコードも1行追加します。一つ目のカスタム ディメンションに取得した clientId の値を付与するようにするということです。

ga('set', 'dimension1', clientId);

 

●レポート表示
カスタム ディメンションで取得したデータは標準のレポートでは、セカンダリ ディメンションを使って表示させるか、カスタム レポートを作って、そのレポートを見るしか方法はありません。

基本的には好きなようにカスタム レポートを作成しておくのがよいでしょう。clientId のディメンションと掛け合せたい指標を自由に選択して作成して頂きたいのですが、どのようなレポートになるか、例を紹介しておきます。

 

図1:カスタム レポートの例

図1:カスタム レポートの例

 

基本的にはこのように一番左の列に個々の clientId の値が並び、そのID別の指標が並ぶという構造になります。この例では clientId の各値をクリックすると、何年何月何日に閲覧したかというレポートにドリルダウンされるようになっています。

特異な動きをしているユーザーがいたら、その clientId の値にだけ絞り込んで(セグメントを掛けて)、一人(ブラウザ)の利用を徹底的に見るようなこともしてもよいでしょう。

この発展形については別途記事を書く予定です。これにさらに User-ID を加え、さらに属性情報なんかも外部連携で取り込んで、より深い洞察を得たり、施策に反映させるような活用例です。

ちなみに全体のトラッキングコードは書きませんでした。上に記述したコードを単純に並べても正しくは動作しないと思います。このソースが本当に必要な方は僅かだと思いますので、是非必要なのですという奇特な方は、お仕事として承らせて頂きますので、こちらをご参照下さい。

 

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