ナビゲーション サマリーのページビュー数(%)の母数は自分自身へのページ遷移が母数から除かれている

データ収集と集計仕様

投稿日:2014/12/29 作成者:衣袋 宏美

「行動 > サイト コンテンツ > すべてのページ」レポートはデフォルトのページビュー数ランキングが表示される「エクスプローラ」タブ(図1赤枠部分)のレポートを見ることが殆どだと思います。ここで「ナビゲーション サマリー」タブ(図1青枠部分)を選択すると、特定のページを選択(図2赤楕円部分)して、その前後の動きをみることのできるレポートになります。

 

図1:ナビゲーション サマリー タブ

図1:ナビゲーション サマリー タブ

 

ここの「ページビュー数(%)」(図2緑枠部分)の割り算の母数が何なのかは、私にとって永遠のナゾだったのですが、恐らくその答えが分かったような気がします。細かい仕様の話で、分析に何の役にも立ちませんから、ここからはご興味のある方だけ読み進めて下さい。結論はタイトルに書いた通りです。


数年前は「ナビゲーション サマリー」レポートの表記の仕様は現在と異なり、「次のページ遷移」の部分で「(exit)」という表記(図2赤枠部分)がありました。この項目の「ページビュー数」(図2青枠部分)は該当ページ(この図ではトップページが選択されている(図2赤楕円部分))の離脱数と一致しています。

 

図2:前後のページ遷移

図2:前後のページ遷移

 

しかしさらにその右側の「ページビュー数(%)」の値(図2緑枠部分)を見ると、76.98%とあるではありませんか。ページビュー数1137(図2青枠部分)は該当ページでの離脱数と一致し、離脱率57.11%(図2黒枠部分)と同じ意味合いなのに、ページビュー数(%)の76.98%(図2緑枠部分)と離脱率57.11%(図2黒枠部分)が一致していません。

この割り算の分母は計算すると1,477なのですが、これは何か、ページ別訪問数でもないし謎です。もちろん計算すると「ページビュー数」の列の各値(図2茶枠部分の列全体)の合計なのですが、するとこの各ページ別のページビュー数も一体何なのかと混乱するばかりです。

繰り返しませんが、これはこのレポートの「左側の部分」の「前のページ遷移」の「ページビュー数(%)」(図2黒楕円部分)についても同様でした。何故か割り算の母数は該当ページの「総ページビュー数」-「閲覧開始数」にはなっていないのです。つまりその他のカウント対象外のページビュー数が存在するようなのです。

最近は仕様が変わって、この「(exit)」表記はなくなりました。そのため、注意して見ない限り、この分母の数の不思議にそもそも気が付く人も殆どいないと思います。この「(exit)」が項目から外れたことで、「ページビュー数(%)」算出の分母からも外れましたが、依然として疑問はそのまま残っていました。

 
<ナビゲーション サマリーの集計仕様の基本>
具体例で説明していきましょう。次のようなセッションがあったとします。そしてページAを対象として選択した上で、その「ナビゲーション サマリー」レポートを見ているものとします。

ページA(閲覧開始)→ページX→ページA→ページY→ページA(離脱)

単純に言えば、これでこのレポートを構成するすべてのパターンになっているのですが、一つずつ分解していきましょう。ページAが絡む動きは以下の6つです。ページA自体は3ページビューなのですが、前との関係/次との関係で合計6つの動きが存在します。

・外部→ページA(閲覧開始)
・ページA→ページX
・ページX→ページA
・ページA→ページY
・ページY→ページA
・ページA→外部(離脱)

これらの動きは4つに分類できます。すなわち、次のaからdまでの4分類です。
・ページAで閲覧開始(パターンa)
・ページAから別のページへ移動(パターンb)
・別のページからページAへ移動(パターンc)
・ページAで離脱(パターンd)

これを先ほどの6つの動きに当て嵌めていくと、それぞれ以下のようになります。
・パターンa
・パターンb
・パターンc
・パターンb
・パターンc
・パターンd

これを集計すると、該当ページAのページビュー数3の倍の合計6カウントがどこかに存在すべきです。それが下記になる訳です。レポートに当て嵌めると図3の部分に相当します。そして前のページからの移動と次のページへの移動の明細は、当然その下の部分(図3赤枠部分)にページビュー数ベースでカウントされ、表示されるのです。
・パターンa(図3赤矢印)が1カウント
・パターンb(図3青矢印)が2カウント
・パターンc(図3緑矢印)が2カウント
・パターンd(図3黒矢印)が1カウント

 

図3:ナビゲーション サマリー

図3:ナビゲーション サマリー

 

<ここからようやく本題>
さて、ここからが本題です。実はこれ以外のパターンがあるのです。経路分析などでもよくある落とし穴ですが、「ページAからページAへの移動」パターンがあるのです。実は同じセッション内で連続して同じページのリクエストが認められるケースが結構あるのです。

ユーザーがリロードすることもあるでしょうし、トップページにもトップページへのリンクが貼られているリンク(グローバル ナビゲーションなど)があり、それをユーザーが間違えてクリックする場合もあるでしょう。何らかの原因でデータが2度飛ぶということもあると思います。その要因は様々なものが考えられます。

そこで思い出したのが「Visionalist」というツールでした。このツールで経路分析では、「リロードカット」というフィルタが掛けられており、同じページの2ページ連続閲覧は除く処理を行い、レポートを見やすいものにするということで、ヘルプなどにも明記されていました。

で、Google アナリティクスでは、同じページが「前のページ遷移」や「次のページ遷移」の項目で見たことがないので、ひょっとしてこれが関係しているのかなと思いました。しかしどこにそれを確認する術があるのでしょう。それがあったのです、別のレポートにその証拠が。

それは「ナビゲーション サマリー」タブ(図1青枠部分)の右横にある「ページ解析」タブです。改めてこの「ページ解析」の詳細を解説はしませんが、選択したページの画面キャプチャーの上にデータを重ねて表示するレポートです。デフォルトではどの場所のリンクをクリックして次のページへ移動したかというレポートが表示されます。図4がその左上の一部をキャプチャーしたものです。

 

図4:ページ解析

図4:ページ解析

 

図4で対象として選択したページは「トップページ」ですが、グローバル ナビゲーションの左端には「トップページ」へのリンクがあり、その「トップページ」へのリンクの部分にマウスオーバーすると、明細が表示されます。この明細を見ると自分自身のページのリンクのクリックが156回ある(図4赤枠部分)ことが確認できます。これが「トップページからトップページの移動」パターンに該当します。

さあ、図3と図4を見ながらデータをまとめていきましょう。「行動 > サイト コンテンツ > すべてのページ」レポートでトップページの基本指標をおさらいしておきます(画面キャプチャーは省略します)。
・トップページのページビュー数:1,564
・トップページの閲覧開始数:760
・トップページの離脱率:38.24%

これを図3の「ナビゲーション サマリー」レポートの各割合と対比してみます。
・閲覧開始数:48.59% → 上記の760÷1,564と一致
・離脱数:38.24% → 上記の離脱率と一致、離脱数を計算すると1,564×0.3824=598
・前のページ:51.41% → 前のページのページビュー数を計算すると804
・次のページ:61.76% → 次のページのページビュー数を計算すると966

一方「前のページ遷移」と「次のページ遷移」の明細の合計ページビュー数を確認しますと、図3のデータでは、前のページ遷移が648で、次のページ遷移が810でした。各項目のページビュー数(%)は確かにこの母数で割り算されていました。

つまり乖離状況は、
・「前のページ」では数値換算すると804のはずなのに、「前のページ遷移」明細合計は648
・「次のページ」では数値換算すると966のはずなのに、「次のページ遷移」明細合計は810
そうです、どちらも乖離は156ページビュー数で、自分自身のページ遷移が母数から除かれているのです。

ということで、結論は、
「ページAからページAへの移動」パターンの場合に、「前のページ遷移」と「次のページ遷移」の明細に表示されず、それを除いたページビュー数合計がページビュー数(%)の割り算の母数になっているということです。

なお、同じページへのリンクが複数ある場合に、それらを区別するためのオプションである「拡張リンク アトリビューション」機能を有効にしていると、ページ解析で表示される値が幅で表示されるので確認できないアカウントもあるでしょう。私のアカウントも現在はそうなので、この機能が有効になる前の少し古いデータを利用しました。

 

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