「eコマース>購入までの間隔」レポートのユニークな仕様を確認

データ収集と集計仕様

投稿日:2015/3/31 作成者:衣袋 宏美

木田さんの本「できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240 ユニバーサルアナリティクス&Googleタグマネージャ対応」に触発されて、「コンバージョン>eコマース>購入までの間隔」レポートの「購入までの日数」と「トランザクションまでのセッション数」ディメンションの集計定義について確認しました。

木田さんの本自体は素晴らしいので、下記からどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/dp/484433770X

下記公式ヘルプによると「購入に至るまでにかかった日数とセッション数(直近のキャンペーンからトランザクション完了までの期間)」と記述があり、木田さんの本にもそう書いてあったので、自分の認識が間違っていたことを恥じ、徹底的に検証してみた次第です。
https://support.google.com/analytics/answer/1037249?hl=ja

長文なので、結論をまず記しておきます。多くの方が、この短い文章では理解できないでしょうし、理解できたとしても「納得できない」という方は、その下に続く検証記事もお読みください。

 

<私の誤解>
・「購入までの日数」は、初回訪問日から購入日の間隔のことを示す
・その後購入があったらリセットされ、「購入までの日数」は今回購入日と前回購入日の間隔のことを示す
・「トランザクションまでのセッション数」は上記と同様の間隔のセッション数を示す

<検証結果>
・「購入までの日数」のギャップを計算する比較対象は、「直近のキャンペーン」発生時点とトランザクション発生時点(なお「直近のキャンペーン」とは、Google アナリティクス特有の疑似「参照元」のこと)
・そして「購入までの日数」は日を跨ぐ日数ではなく、時間差が24時間を超えたら1日とカウントする(例:日を跨いでも翌日になっても、前回訪問から10時間以内に購入なら0)
・「トランザクションまでのセッション数」のギャップを計算する比較対象は、「直近のキャンペーン」発生セッションとトランザクション発生セッションだが、1からカウントする(例:初回訪問即購入は同セッションなので差は0だが、基点の1に0を加えて1とする)
・「直近のキャンペーン」が以前にない場合の購入の場合、最も古いノーリファラーまで遡って、そことのギャップを計算する

 

まず「直近のキャンペーン」から話を始めましょう。これはGoogle アナリティクス特有の「参照元」の定義を示しているものです。例えば下記例の2回目の訪問時における「直近のキャンペーン」とは、初回訪問のリファラーである「Google検索」を示します。

<セッションの例>
初回訪問時の実際のリファラー:Google検索
2回目の訪問時の実際のリファラー:ノーリファラー(木田さんの本の文中の「ダイレクトトラフィック」と同義。ブックマークからの訪問など)

多分何を言っているのか普通の人には理解できないと思うので、詳しくはまずGoogle アナリティクスの「参照元」の意味をまずは下記記事で理解してから、この先を読んでください。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/09/27/13735

 

さて、ここから本題に入っていきます。木田さんの本のP213で例が紹介されていますが、より厳密に書くと以下のようになると思われます。購入時のリファラーなどが記載されていないのですが、カッコ内の記述は原文に私が後から補足しました。なお検証結果と木田さんの本の記述に矛盾点はありませんでしたので、木田さんの本の記述に間違いはないと思います。

<例>
7/1、15時 ダイレクトトラフィックで(初回)訪問(で非購入)
7/2、16時 (ダイレクトトラフィックで)購入
7/3、15時 自然検索で訪問(で非購入)
7/5、16時 (ダイレクトトラフィックで)購入
7/6、15時 ダイレクトトラフィックで訪問(で非購入)
7/9、16時 (ダイレクトトラフィックで)購入

そして、この時の「購入までの日数」は、こうなる↓と書いてあります。ここのカッコ内の記述も私の補足です。
7/2の購入:1日に1トランザクション
(購入の7/2に直近キャンペーンはないが遡れる上限の7/1とのギャップが1日と1時間なので)
7/5の購入:2日に1トランザクション
(購入の7/5と直近キャンペーンのあった7/3のギャップが2日と1時間なので)
7/9の購入:6日に1トランザクション
(購入の7/9と直近キャンペーンのあった7/3のギャップが6日と1時間なので)

 

<検証したかったポイント>
・購入に至るまでにかかった日数が、日を跨ぐ日数ではなく24時間を1日とした日数であること(木田さんの本の知見の検証)
・購入があったら、一旦ゼロクリアされる(基点がそこになる)のかどうか(そう私が教わった記憶があるが、木田さんの本ではゼロクリアされずに、やはり直近のキャンペーンが基点になっている)
・初回訪問がダイレクトトラフィックで、それ以降にダイレクトトラフィックでの購入があったら、初回訪問が基点となるのか
・「購入までの日数」が「0」とは、キャンペーンの存在する訪問での購入と、キャンペーンの存在する訪問で非購入で24時間未満にダイレクトトラフィックで購入した場合の二つが該当するか
・トランザクションまでのセッション数の定義は何か(基点が1、購入でゼロリセットになるのか)

 

<実際の検証テスト内容とその結果>
テスト1~テスト5はそれぞれ別々のCookieで一連の購入などの行動とその結果のデータを追ったもの。

●テスト1
3/26、17時 自然検索で訪問で非購入
3/27、18時 ダイレクトトラフィックで購入
結果:購入までの日数は1(直近のキャンペーンが前日なので)
トランザクションまでのセッション数は2(前日が基点1)
考察:直近のキャンペーンからの経過日数とセッション数になっている
3/29、10時 ダイレクトトラフィックで購入
結果:購入までの日数が2(直近キャンペーンが前々日なので)
トランザクションまでのセッション数3(前々日が基点1)
考察:「購入までの日数」「トランザクションまでのセッション数」ともに、購入で基点はリセットされなかった

●テスト2
3/26、17時 自然検索で訪問で非購入
3/27、16時 ダイレクトトラフィックで購入
結果:○購入までの日数は0(24時間以内なので)
○トランザクションまでのセッション数は2(前日が基点1)
考察:「購入までの日数」は、日を跨ぐ日数ではなく時間単位の差で判定されている
3/29、10時 ダイレクトトラフィックで購入
結果:購入までの日数は2(直近キャンペーンから72時間未満なので)
トランザクションまでのセッション数は3(直近キャンペーンから)
考察:「購入までの日数」「トランザクションまでのセッション数」ともに、購入で基点はリセットされなかった

●テスト3
3/26、17時 ダイレクトトラフィックで非購入
3/27、18時 自然検索で訪問で購入
結果:購入までの日数が0(直近キャンペーンは、購入セッション自身)
トランザクションまでのセッション数は1(基点は直近キャンペーンの自身なので)
考察:直近のキャンペーンが購入自身のセッションだったら、経過日数0とセッション数1(基点)となる

●テスト4
3/29、11時 自然検索で訪問で購入
結果:購入までの日数が0(直近キャンペーンは、購入セッション自身)
トランザクションまでのセッション数は1(基点は直近キャンペーンの自身なので)
考察:直近のキャンペーンが購入自身のセッションだったら、経過日数0とセッション数1(基点)となる(テスト3と同じ結論)

●テスト5
3/29、11時 ダイレクトトラフィックで購入
結果:購入までの日数が0(直近キャンペーンは存在しない)
トランザクションまでのセッション数は1(直近キャンペーンは存在しない)
考察:キャンペーンが以前にない場合の購入の場合、どちらも最少数にカウントされる
3/30、18時45分 ダイレクトトラフィックで購入
結果:購入までの日数が1(直近キャンペーンはない)
トランザクションまでのセッション数は2(起点にならない)
考察:キャンペーンが以前にない場合の購入の場合、最も古いダイレクトまで遡る

 

お知らせ